⑥どん底のナンパライフ〜結果の出ない憂鬱な日々〜

この話は、23年間非モテをこじらせた僕が、ストリートナンパを通し、人生逆転を目指した挑戦の記録です。「23歳童貞がストリートナンパで彼女を作るまでの全記録」の続編となります。

〜非モテこじらせ男、凄腕ナンパ師目指す挑戦〜

<前回までのあらすじ>
女性のレベルを上げた瞬間、ナンパで結果が出なくなる僕。何が悪いかわからないまま、時間だけが過ぎていく。

<前回までの記事>
①夢を見てしまった男〜非モテ脱出プラン始動〜
②旅行者を狙え〜初めての即〜
③ナンパ仲間を求めて〜ナンパブログ＆合流開始〜
④僕とSEXしてください〜逆転のザオラルメール〜
⑤迷走の始まり〜クラブ、パーティ、出会い系〜

2013年12月。

何をしてもナンパが上達しない毎日が続く。

出口の見えないトンネルを彷徨い続けること3ヶ月。何をすれば上手くなるかわからない。とりあえずやれることは全部やろう。

・見た目
　-髪型
　-服装
　-体型

・マインド
　-男らしさ
　-自信
　-気遣い

・トーク
　-並行トーク
　-連れ出し

ナンパで必要な要素を分解し、1つ1つの能力を上げることにした。

特に僕が足りないのは「連れ出し」のスキルだ。

連れ出し時の会話を録音するのは当然。その会話を書き起こし、改善点をメモし、2000字位のレポートにまとめることにした。レポートは10枚くらいになった。ナンパ仲間の1人に見せたら、そこまでやるとかマジでキモいと言われた。

改善点として出たのは、

・テンションが低い
・抑揚が無い
・女が和んでない
・女の感情がゆさぶれてない

・・・こんな改善点は意味が無い。

テンション上げても何も起こらなかったし、抑揚を意識しても別に変わらない。和むと言われても、どうやって和めばいいのかわからない。というか「和む」って何だ。笑わせればいいのか？

「感情を揺さぶる」とはよく言うが「揺さぶる」ってなんだ？喜ばせればたり、悲しませたりすればいいのか？・・・てかそもそも何故それで即れる？

ナンパ仲間から色々なアドバイスを受ける。

・気分転換したほうがいい
・ナンパ以外の方法も試してみれば？
・女友達作ったら？
・1回ナンパから離れれば？

言っちゃ悪いが、みんな無責任なアトバイスばかり。なんでそれでナンパが上手くなるんだ？論理的に説明してくれ。こっちは真剣にやってんだよ。

不安や焦りがストレスになっていく。

自分の会話の録音を聴くと、たしかに盛り上がっていない。ダメなことはわかる。でも正解がわからない。何を直せばいいかわからない。

凄腕ナンパ師の真似をしても、同じ結果にならない。女性の反応は悪いまま。たとえ笑っても、ホテル打診すると拒否される。

なぜだ？何がいけないんだ？

この辺りで、僕は確信する。

ナンパで1番辛いことは、女性に冷たい反応をされることじゃない。冷たくされる理由がわからないことだ。

特にナンパはフィードバックが無い。「もっとこうしたほうが良いよ」と女性が教えてくれることがない。自分で気づくしかないのだ。

中高時代の受験や部活よりも、何十倍も熱中し、必死に努力しているつもりだ。でも結果は出ない。

悔しくて涙が出る。これだけ努力しても、結果は出ない。

実らなくても、誰かに認めてもらいたかった。非モテがここまで頑張ったことを誰かに褒めてもらいたい。日に日に気が沈んでいく僕は、そんな甘っちょろいことを考えていた。

でも冷静に考えれば、褒めてもらうなんて無理な話だ。

なぜなら、僕がやってることは所詮ナンパだからである。周りから見れば、非モテ男が女の尻を追いかけてるだけ。所詮は迷惑行為。勉強やスポーツとは違う。努力しても、結果を出しても、よく思われること、決してない。

結果が出ないとつい覗いてしまうツイッター。開くとまた凄腕ナンパ師が偉そうにつぶやいている。

下手クソなナンパは迷惑。
ケツ追っかけてないで真面目に仕事しろ。
この自己中心野郎が。女のことを考えろ。

まるで自分に向けて言われた言葉ようだ。鋭利なナイフで、自分の心をグサッと刺された気分。そのツイートには多くのイイネがつき、多くの人にRTされていた。やっぱり皆、ナンパには否定的なんだ。

僕のナンパは迷惑行為ですか。そうですか。

・・・

・・・

・・・

そんなことは自分が1番よくわかっている。

だから変えようとしてるんじゃないか。

凄腕ナンパ師は口々に言う。「自然体であれ」と。小手先のテクニックに頼らず、自然体で、普通に女性と接すればいい。

・・・は？自然体だと？

それは、アンタ達が最初からモテるからだろうが。モテるからそんなことが言えるんだ。僕だってナンパに出会う前は、自然体で女性と接していた。その結果が「23年間の童貞」だ。

モテる人生を歩んできたアンタ達の自然体と、非モテ街道を歩んできた僕の自然体は違うんだ。偉そうなこと言いやがって。

僕の自然体は「非モテ」なんだ。自然じゃダメなんだ。何かを変えないといけない。今の自分を変えないと、僕の人生は変わらないんだ。

だから必死に自分を変えようとしてるのに。学生生活の全てを賭けて。時間、金、労力の全てを捧げてやってるのに。にもかかわらず、偉そうに上から目線で呟きやがって。わかったようなこと言いやがって。・・・シネ！！

現実は残酷である。毎日坊主。多い日は70人声かけて坊主。たまに連絡先が交換できても死番になる。まあこんな卑屈で弱気な男に、女がついてくるはずがないのだが。

憂鬱な気持ちで迎える2014年。

不幸は続くようで、半年間交際した彼女に、僕は突然別れを告げられた。ナンパしていても、彼女のことはずっと好きだったのに。

ショックで泣いた。付き合った子に振られる辛さを、23歳で初めて味わう僕。

非モテの生活に戻ってしまう・・・。

僕はどん底に陥っていた。出口の見えないトンネルを歩き続けることが、こんなに苦しいことだとは思わなかった。

気づけば外は雪が降っている。僕の自由な学生生活は、残り2ヶ月を切っていた。

つづく

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